信じてるって言わないで
君は少しずつ死んでいく
健康に生きていたとしても、不健康に生きていたとしても
綺麗な花を見ながら、風の音を聞きながら
死んでいく
コロナで会社の喫煙所が閉鎖された
喫煙組は毎日困った様子で苛ついている
これを機に上司も「煙草を止めるか」と疾く
「まぁメリット無いですからね」と後輩
「自殺率下がるらしいけどな」と笑いながら上司が答える。へぇそうなのかと俺は思いながら、あぁそうかと思った。
「煙草って緩やかな自殺なんですね」
上司にも後輩にも全く響いてなかったが俺は妙に納得した。
リストカットやオーバードーズ、性交渉などの分かりやすい自傷行為に比べて、精神の弱い人間が煙草を吸う様子を不思議な思いで見てきたけど、なるほどそうかと思った。
死に向かう速度を早めてるんだな。無意識に。
煙草の銘柄、そう言えば気にしたことなかったな。あの時好きな女の子が吸ってた煙草、何だったんだろうな。
君は死に向かっていた。
煙草、妊娠を機にやめているだろうな。もう君がどう生きているかも俺には分からないや。
それで良いね。別れた春がそろそろ来るね。